アフターコロナ!飲食業の今後を考える

アフターコロナと飲食業
アフターコロナと飲食業

 今日は、新型コロナの状況を踏まえ、普段と異なり飲食業という大きなテーマで書いてみようと思います!
 普通に過ごしていた日常が新型コロナによって飲食業界にも大きな変化の波をもたらしています。4月を乗り切り、今なんとか耐え忍んでいる飲食業(私も含め)の苦悩はいつまで続くのでしょうか?当社は、今から13年前の平成19年に持ち帰り専門の惣菜店からスタートし、近くのスーパーさんの閉店を機(お客様の流れに変化)に昼はお弁当のテイクアウトとデリバリーと店内でのランチ、夜は居酒屋という飲食業の「何でも屋」のような状況で運営をしてきました。

テイクアウト、デリバリー、ランチ、居酒屋という様々なスタイルを運営している立場からアフターコロナの飲食業について考えを整理してみました。


<目次>
1.「3密」と飲食業
2.営業スタイルごとの今後を考える
 ・テイクアウト
 ・デリバリー
 ・ランチ
 ・居酒屋
3.コロナとの共存?

「3密」と  飲食業

 今回の新型コロナが私達飲食業界に影響をもたらしたキーワードが「3密」だと思います。仲間と飲んで食べる居酒屋においては通常が3密状態です。それがダメだとなった時に居酒屋の営業は本当に悩みます。当社は、現状では居酒屋は休業としていますが、常連のお客様からはギリギリの状況まで応援していただき、本当に助けていただきました。今までであればそうした人と人との繋がりを大切にして経営をしてきたのですが、今回はその人との繋がりを破壊するウィルスという問題に呆然となるばかりです。人と面と向かって会ってはいけないというシンプルな制約が起こることで社会をここまで破壊するなんて・・・
経営という面でもリーマンショックや東日本大震災とは違う次元の恐ろしさを感じています。

 居酒屋ほど密状態にならないランチに関しては、基本的にお一人で食べに来られる場合も多い為、通常の形で営業をしています。1卓(4名席)に1名という間隔で座っていただき、またテーブル間には仕切りもあるので3密という状況ではないと思いますが、それでも店内の人口密度は一時的に増えるのでドアを開け放つなどの工夫をしています。
 上記のような居酒屋やランチといった着席型のサービスに関しては、政府(専門家会議?)の新しい生活様式の提言ではお客様同士が向き合わないようにとなっていて、現在では、カウンターのようなテーブル配置で対応しているお店さんもあるようですが、飲食店にとっては座席の回転率も利益確保に重要な要素なので、この状況がずっと続くようでは困ります。

 また、デリバリーやテイクアウトに関しては、当社では今までも行っている為、環境という意味では以前との変化はあまりありません。売上構成が法人のお客様が減り、逆に個人のお客様が増えたという変化はあります。ニュースを見ていると3密・休業対策として居酒屋を専業でされていたお店さんが瞬時にテイクアウトやデリバリーを始めて頑張っていらっしゃるのを見て、働く人たちの雇用を守ろうという行動力が凄いと感動しています。しかし、これから暑い日が多くなってくるので食中毒には特に注意が必要になります。温度管理には十分気をつけて営業していただき、お客様の安全、そしてお店を守っていただきたいです。

 こんな状況ですが、少しでも未来に繋がることも考えてみたいと思います。


営業スタイルごとの今後を考える

・テイクアウト
しばらく新型コロナの影響が続くことを考えるとテイクアウトという手法は、飲食店にとって今後も取り組み続ける必要があるように思います。都内のビルイン上階のお店は難しい面もあるかもしれませんが、そのお店の味が好きというお客様もいらっしゃると思いますし、PICKS など小規模であれば無料で使えるテイクアウト用のアプリもあるので予約をしていただいて店頭で商品をお渡しするスタイルは常のサービスにしても良いと思われます。一番手軽に取り組めて工夫次第で伸ばせる手法です。
地元密着でSNSなども活用してテイクアウト需要を模索するのも一考です。当社はSNSを通して地域の方々に支えていただいてテイクアウト注文も増えています。

・デリバリー
ウーバーイーツ出前館などデリバリーサービスの利用者はとても増えています。しかしながら、お客様にとっては便利な反面でお店側にとっては高い手数料が悩みです。原価がギリギリの商品は単価を上げさせていただく必要が出てくるので商品によっては難しいかもしれません。かといって自店で配達をする仕組みを作るのは大変です。当社のようにお弁当をルートで配達する場合は一人の人員で多くを運べますし、人と車は揃っているので時間帯によっては可能ですが・・・それでも採算を考えると難しいです。やはり、ウーバーなど既存のサービスを活用するのが現実的です。お客様に喜んでいただけて、利益も確保できるデリバリー用のメニュー開発に取り組むのが良いかもしれません。

・ランチ
働く人たちがいる限り、ランチ需要がなくなることはありません。その需要に対応する為にも席数の確保と向かい合わずに食事ができることの両方を目指して工夫が必要です。カウンター主体に改装できる余力があればいいですが、そうもいきません。しかし、通常の4人卓をカウンター風に分けることができる仕切りなど様々な製品が出てくるような気がします。既にアクリルメーカーさんが役所などのカウンター用に透明の仕切り版を製作していただいているようですし、飲食店用の仕切りも木製やアクリル製、和や洋など様々な状況に合わせたタイプのものが登場することを期待しています。DIYの世の中ですから自分製作してしまうのもありですね!

・居酒屋
上のランチとも重なる部分が多いですが、一番はどのようにして安心して仲間と飲める場所を作ることができるかです。一人で飲む方もいらっしゃいますが、やはり居酒屋に来る多くの目的はノミニケーションだと思います。ここでも仕切り版のような工夫が必要になるかもしれません。例えば、天井から手元近くまで十字のアクリルで仕切られていて4人席でも安心して話しながら飲めるなど(刑務所の面会のようですが・・笑)、個人的には手元は開放してもらって、せめて乾杯はしたいな~と思います。料理も大皿メニューよりは一人一人用のメニューの方が頼みやすくなるかもしれません。

勝手なことを書きましたが上記はあくまでも提案や想像のレベルです。もし、参考になる内容があれば嬉しいです。
今は飲食店にとっては暗闇の状況ですが、せめて未来を想像して生き残る希望を見出したいですね!

 


コロナとの共存?

新型コロナウィルスとの付き合いは、長期戦を覚悟しなくてはいけないようです。近く宣言解除となったとしても次の秋以降にもまた自粛ムードや店舗の休業などの状況が何度も繰り返し訪れるかもしれません。今は飲食業にとって辛い時ではありますが、これからのコロナとの共存について考えてる時期でもあります。
食べることは人にとって必要不可欠です。飲食店は、お客様に食べる楽しみを提供する場所ですし、また大切な人達とのコミュニケーションの場を提供する場所でもあります。だからこそお客様の為にも飲食経営者が工夫して頑張ってサービスを存続させることが大切だと思います。
ワクチンが世の中に行き渡り、抗体を持った人が増え、現状のインフルエンザとの付き合いに近い状況まで落ち着けば、今よりは必ず良くなります。それまで何とか当社も含めて多くの飲食店さんが生き残れることを願っています。

記事担当:㈱ラック 藤田